ソフトフォーカス
ソフトフォーカスとは軟焦点。一般の写真術にも通じるレンズの用語で、軟かい焦点のレンズを使用して画面に軟調を与える撮影法を意味し、レンズに特殊なベールを被せて作る場合もあります。往年松竹時代の五所平之助作品、撮影小原譲治などはその典型でした。伊豆の踊子、撤夜の女などがその例です。戦後は主として作品の基調がリアルズムの方向に進んだためもあって、ソフトフォーカスはほとんど使われず、一般に調子が硬く、鮮鋭になっていますが、三浦光雄カメラマンなどは軟調派で、煙突の見える場所、夫婦善哉はその一例です。

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