パンフォーカス

パンフォーカスとは前景から後景まで、手前から奥まで、一様に焦点の合った画面を作る長深度撮影の技法で、おもに写実的な作品などに実行されます。集点距離の短い広角レンズほど、また絞れば校るほど写界深度が大きくなるレンズの性質を利用するのですから、高感度フィルムを使うか、照明を増強しなけれぱなりません。1941年にオーソン・ウェルスが監督主演した市民ケーンが、全編を通じ焦点距離35ミリの広角レンズをf8まで絞って撮影された画面効果でこの技法が世界的に有名となり、その後は日本も含めて各国で実行されていましたが、48年のローレンス・オリビエ監督主演作品ハムレットで、手前にいるハムレットの斜め後ろ向き上半身から、宮廷大広間の40メートル以上もある遥か奥がらはいってくるオリビアまでピントを合わせて撮影した画面も典型的な例とされています。

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